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2014年5月17日「ギャーギャーギャー第3回公演『亀触った奴は黙ってろ!!』」



つみぎの興奮から早2週間。もう新作の公演ですよ!

もともと青春コメディと謳っていたので、たぶんバカバカしくておもしろいのだろうなあと想像を膨らませながら、ずっとこの日を待っていました。


お笑いにハマる以前から演劇は何度も見に行っていましたが、それを含めても同じ作品を2度見るのは初めて。

体力や集中力がもつか少し心配でしたが、そんなこと気にならなくなるくらい楽しかったです!































演劇系のレポでは毎度お馴染みの言い訳ですが、今回も順序立てたストーリーを記しているわけではありません。


キャラクターの人格や、それを演じる役者さん方についてを軸に、レポ・感想を書き進めています。


またそれらの解釈も私個人的なものですので、すべてが本当とは限りません。



これらのことを頭の隅に置いた上で、ハードルを下げて読んでいただければ幸いです。笑

























亀触った奴は黙ってろ!!

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守谷日和さん
→前田。高校3年生男子。美術部に所属している。

アキナ・山名さん
→峯田。高校3年生男子。美術部に所属している。

ビーフケーキ・近藤さん
→上江洌(うえず)。高校3年生男子。美術部に所属している。

ジソンシン・酒井さん
→中島(なかしま)。高校3年生女子

帽子屋・お松さん
→教師。美術部の顧問である様子。
→女子高生。なにかと中島の隣にいる。頭がゆるく気の強いギャル。
→店長。前田のバイト先であるコンビニの店長。ちょっぴり天パ。
→高校のヤンキー。
→未来の高校でのいじめられっこ。
→亀の亡霊(?)。ミシシッピアカミミガメ








とある高校の美術部。
部員はたったの3人で、12年来の幼馴染である前田・峯田・上江洌。

“描いた作品が入選した人が部長になる”と以前からルールは決めていたものの、未だ誰も入選したことがなく、誰が部長だともつかないまま時間だけが過ぎ、早くも3年生になってしまっていた。

前田・峯田・上江洌の3人は、冴えないグループに属するようなタイプで、彼女がいた経験もなくいわゆる童貞。
ヘアカットは峯田の家業である美容院で3人そろってタダで、メガネは上江洌の家業であるメガネ屋で3人そろってタダで。
3人ともが同じ髪型・同じメガネをしているのはそれゆえである。


見た目も言動も部活動の実績も、ありとあらゆる面において冴えない3人ですが、幼馴染同士仲良く盛り上がっている姿は本当に楽しそうで、うらやましくも感じるほどでした。


この舞台の冒頭で峯田と上江洌が繰り広げていた『揚げ揚げドン』というゲーム。
高温の油の「じゅわーーーっ」という音を聴いて、果たしてその音は何を油に投入ときのものなのかを当てるゲームです。
イントロドンの揚げ物版…と言ったところでしょうか。

出題者・上江洌が用意した音を、途中間違えそうになりながらもなんとか当てていく峯田。
そして、3問目。
峯「…亀?」
上「………(峯田を抱きしめ) おめでとう…!」

上江洌はこの問題のために、亀を高温の油へ投入したようでした。
そしてその種類は、「ミシシッピ アカミミガメ」

物語が進むにつれて徐々に匂わせて明らかになっていくことなのですが、このミシシッピアカミミガメは前田が学校のプールで大事に飼育していたものでした。
この事実を前田が知るのはまだまだ先の話なのですが…。



高校卒業までに誰かひとりでも作品を入選させようと意気込んで各々の作品に取り掛かる3人だが、ここで前田が異変に気付く。
自ら描いていた水仙のとなりに、謎のコロッケが描かれてある。

犯人はどちらだと峯田・上江洌を問い詰めるが全く相手にされず、また作品の出展が3日後に迫っていたため、前田は仕方なくコロッケが描かれた水仙の絵を提出することとなった。

この『コロッケのある風景』という作品は後々、全日本やアジアの展覧会に進むほど評価され、前田は美大への特待入学が決定する。
実はいたずら心でコロッケを描いたのは峯田、出展時にタイトルを考えたのは上江洌であり、2人は自分たちのいたずらが前田の評価を上げることになってしまったので、少々後悔をしているようであった。


ちなみに、峯田の作品は疾走感あふれるコロコロクリーナー、上江洌は公演1回目が2本のハンガー、2回目がどっからどう見てもナターシャさんの似顔絵でした。
転校していった中田くんだそうです。笑

ぱっと見た感じでは、デッサンが素晴らしいとか彩色の技術に長けているなどといった高クオリティ…というわけではないのですが、よく見るとそっくりですごいなと思いました。

美術部なのにさほど絵が上手くない、だけど彩色に関するある程度の技術はなんとなく知っている…美術部男子によくある絵のレベルといった感じで、ものすごくリアル。
高校のとき美術部だったので、その生々しさを懐かしく噛み締めていました。笑



前田には1年生のころから想いを寄せている、中島という同級生の女子生徒がいた。
1年時に意を決して告白した際、中島からはたったの二言でフられている。

その中島が、なぜか美術室の準備室から出て来て久しぶりに顔を合わせたのをきっかけに、前田はまた中島へ想いを募らせるのだった。

なお中島は一切興味がない、認識もしていない模様。



峯田は学校の女子に関するあらゆるデータをまとめた『峯ちゃんのマル秘ファイル』を所持している。

ある日、美術室に残っていた微かなシャンプーの香りを嗅ぎつけた峯田は、そのファイルに記されているデータから、シャンプーの香りの主は"中島"と"北川"のどちらかであると割り出す。
しかし北川という女子生徒はほとんど学校に来ていないため、ほぼ中島のシャンプーの香りで間違いなかろうと結論づけた三人。

その時、改めてファイルの中島のページを見ていた峯田は、あることを思い出す。
それは2年生の1学期に広まった、中島が援助交際をしているのではないか、という噂。

記録によると、中島がシャンプーを現在のものに替えたのもちょうどその時期であったとも。

しかし前田はすでに中島の靴箱にラブレターを入れた後で、翌日には告白することになっていた。
もちろん中島がそんなことをしていたはずがないと信じて疑わない前田。


翌日、中島を待つ前田の前に、峯田と上江洌が興味津々な様子で現れ、最悪の場合でも俺たちがついているからと、前田を励ます。

しばらくして現れたのは、ラブレターを読んだ中島と、その友人らしき頭が緩く怖いもの知らずのギャル。
ギャルは峯田と上江洲を泣かせるほど散々にいじり倒し、前田にも心ない言葉を投げつけるとアラレちゃんのごとくその場から走って去っていった。

何かワケがありそうな中島を脅してまで告白現場について来たがったり、中島を「中の下」と呼ぶギャルの言動は決して好感を抱けるようなものではなかった。


中島は、前田が一生懸命考え用意してきたであろう自己紹介や告白の言葉を冒頭から遮ると、告白を受け入れるつもりも、もとより彼氏を作る気もないことを伝える。

ただし、こう続けた。

「別にいいよ。セックスくらいなら」
「ただし、“3”ちょうだい」
「3万」

中島の援助交際の噂は嘘ではなかったのだ。

告白の言葉も言えず、付き添ってくれた仲間もとばっちりをくらい、そして中島の援助交際の事実を知った前田は、部室で峯田と上江洌を前にしても、号泣するしかなかった。

このレポを書くにあたって「号泣」という言葉の意味を改めて調べました。

◎号泣…大声をあげて泣くこと。泣き叫ぶこと。

よく“激しく泣く”と勘違いされて使われがちな言葉です。

“泣き叫ぶ”という意味合いから、前田くんが泣く姿はまさに「号泣」という表現がぴったりでした。

とばっちりをくらわせてしまった幼馴染たちへの申し訳なさと、告白の言葉も言えなかった悔しさと、そして何よりお金を払ってでも中島と関係を持ちたいと思ってしまう自分、またその行為への恐怖心で、ダムが決壊したかのように大声で泣き叫ぶ前田。


最初は前田くんに感情移入して息がつまるような胸の苦しさを覚えていたのですが、守谷さんの演技をしばらく見ていると、返ってその号泣している姿が心地よく思える感覚が出てきました。
もうずいぶん長い間、こんな風に大声で泣き叫んだ覚えがないなあ、気持ちよさそうだなあ、と。

これは、守谷さんによる号泣の演技が本当にすばらしかったからこそ、得ることが出来た感覚だと思います。
お腹の底から声を出すのはもちろんのこと、鼻水も出ているのではないかと疑いたくなるようなだみ声、嗚咽…とにかく感情の引き出しの奥の奥まで、すべてをぶちまけて見せていただいた気分です。

そして気持ちのままに泣いている姿を受け止めてくれる仲間の存在が、とてつもなくうらやましかったです。



前田は結局、中島に渡す3万円を稼ぐためにアルバイトを始めます。
その様子を見に来たというよりかは、からかいにやって来た峯田と上江洌とのシーンは、大半がアドリブだろうなあと勝手に思っています。

このあと、美術室にて峯田と上江洌が自分たちの将来について考えていることを語るシーンがあるのですが、そこのやりとりもおそらく8割以上はアドリブ。

N谷集落もコーナーを挟んで演者さんの新鮮すぎる反応を見せてくれるし、近藤さんって案外こういうアドリブとかエチュードとか好きなんかなあって思いました。

他所のブログでビーフケーキの単独レポを読んでいると、ぞくっとさせるオチのコントが多くて、それこそラーメンズのように所作も言葉も隅々まで凝りに凝るタイプなのかと思っていたので意外だなと。

山名さんと近藤さんのアドリブらしきやりとりだけで10分は経っていたような気がします。
そしてその中で明らかになる前田のメガネにだけ仕組まれている罠がなかなかに恐ろしかったです。笑


美術室で峯田と上江洌が会話をしていると、初めての給料を手にした前田がやってくる。

いよいよお金を手に入れ、中島の身体を買うことに真実味が帯び、再び尻込みをする前田に、最初はノリ気で前田の背中を押す声をかけていた峯田と上江洌。

しかし自分たちは一緒にラブホに入れないことを知ると、途端に気落ちし脱力した様子で、それまでと反対のことを言い始める。


そもそも興味の範疇で幼馴染の初体験を同じ部屋で見届けようという発想もなかなかぶっとんだものではあると思いますが。笑

逆に言えば、それくらい心に距離感のない仲なのだろうなあと捉えることも可能ですね。


手の平を返したような態度の峯田と上江洌に、前田は怒りを抑えることが出来なかった。

幼馴染とはいえ、自分が危ない橋を渡るか否か頭を悩ませているのに、それをほんの興味程度の軽い気持ちで踏み込んで勝手に去っていこうとするのが、気に食わなかったのだろう。

峯田と上江洌の興味本位で自分勝手な態度に腹を立てた前田は、怒りの感情のままに美術室を出て行く。


それまでへらへら脱力していた二人が前田に怒鳴られたことで表情を硬くしていく様に、自分の視線が吸い寄せられていった感覚が印象に強く残っています。

特に峯田を演じる山名さんがゆっくりと体勢を立て直していく姿に、さりげなく高い表現力を見出すことが出来ました。

気まずさを表現するにあたって、ゆっくり動くことは案外難しいことだと思っています。
動揺から目線をうろうろさせたり、そわそわ落ち着きなく振る舞うことはさほど難しくはないのですが、お客さんの目線を感じながら余計な動作を含むことなくゆっくり動くことは、かなりの集中力が必要とされます。

山名さんの演技はこういう些細な箇所でも、セリフだけでなく動きにまで明らかな緩急が示されているのでレベルが高いと思いますし、とにかく好きです。

あ、あと大声出す時に腹式呼吸でお腹あたりがぱきーってなるのも好きです。



場所は変わって、ラブホテルの一室。
前田の前に現れたのは想い人の中島ではなく、その友人で頭のゆるいギャル。

峯田と上江洌からの情報で1年生だと聞かされていた彼女は、2度留年をしている同い年の“北川”であった。
中島と同じシャンプーの香りがする北川。

2年生の1学期、中島に援助交際を教えたのは、まさにこの北川だったのだ。

お前が中島さんを汚したのかと前田は怒り狂い詰め寄るが、精神面では北川のほうが1枚も2枚も上手(うわて)。
股間を握られ、渡した3万円も返してもらえない前田に逃げ場はない。

長い葛藤の末、ほとんど泣きながら前田が出した結論は、北川に相手をしてもらうことだった。


好きな人ではない、ましてや好きな人を援助交際という道へ連れ込んだ、前田にとっては許し難い存在の北川。

しかし、“やらせてもらえる”“初めて生の女のからだを知ることができる”…思春期真っただ中の冴えない童貞くんにとってそんな誘惑は、どうしても勝つことができない相手だったのでしょう。
罪悪感や後ろめたさを覚えながらも、行為の快感に夢中になってしまう前田くんも、なんとなく想像がついてしまいました。



前田が美術室を飛び出してから峯田と上江洌がうなだれていると、準備室から姿を現した中島。

すぐさま美術室を出て行った中島を目線だけで見送りながら峯田と上江洌は、前田が今誰と時間を共にしているのか考えを巡らせ、前田の本来の目的が果たされなかったことを察すると途端に笑顔になった。


前田が初めての給料を手にしラブホテルへ向かったこの日は、25日。

実は物語の真ん中あたりのシーンで、準備室から出てきた中島と美術教師が「次は25日を過ぎたころに」と意味ありげな会話をしてた伏線が張ってあって、それがここで回収されていきました。

しかし気になるのは、中島と美術教師が準備室にて一体なにをしているのか。

一見人畜無害で優しげな美術教師と、女子生徒・中島の間にはどんな関係が築かれているのか、この物語の中で真相が語られることはありませんでした。


もしも機会があるのなら、中島にスポットをあてたサイドストーリーも見てみたいです。
北川に誘われたとはいえ、何を思って援助交際を始めたのかなど中島の心理について詳しく描いてほしいな、と。
たぶん中島自身にもはっきりした理由などはなく、ただ「誘われたから」なのかもしれませんが。

中島は他人どころか、自分にも興味がなさそうな女の子なのかもしれないと考えています。

あとは酒井さんがどこまで中島の内面を構築させていたのか、役者自らが掘り下げられるよう近藤さんがどこまで用意していたのかが気になります。
この舞台では結構な重要人物なのに分からないことだらけですっごく興味が惹かれるんです。

酒井さんの演技自体にも興味を魅かれる点が結構見つかって、それについてももっと知りたいですし。

確かに演技はうまいけれどどこか妙な違和感が拭いきれなくて考えていた矢先、酒井さんの前のコンビの漫才を見ていて気づいたことがありました。

酒井さんは舞台上にいる際、どんな距離でも相手の目をしっかりと捉えることが多いのですが、自分の立ち位置から相手までの距離と、セリフや目線の投げる距離が実際のそれと噛みあってなくてちぐはぐな気がするのです。

返ってそれが見事に作用する役を演じてもらえば最高の演技になるかと思うのですが、今回の中島はそれとはちょっぴり違うなあというのが、率直な感想です。
何を考えているか分からないミステリアスな美人、という点では酒井さん以外演じることが出来る人はいないのも事実ですが。


そもそも近藤さんが書くお話しはサイドストーリーが恋しくなるものが多い気がします。

物足りない…といえば悪い意味に捉われるかもしれませんが、そういう意味ではなく、表を色濃く描いてくださるのでそのことで見えてこなかった部分について「もっと!もっと知りたい!教えて!!」と次々に深く知りたくなってしまうのです。

主要人物だけでなく、裏で暗躍するキャラクターたちもみんながみんな愛おしい、そんな印象です。


「前田―――!誰と寝たーー??!」
涙を流しながらなかなか答えようとしない前田に、上江洌は北川のモノマネをして見せると、ご名答と言わんばかりに泣きに拍車がかかる前田。

なんだかんだ言いながらも常に肯定的に背中を押していてくれた幼馴染たちの期待に応えられなかった前田は、謝罪の言葉を口にする。

すると峯田からはコロッケの落書きの真相、そして上江洌からはミシシッピアカミミガメの行方を『揚げ揚げドン』で知らされ、かわいがっていた亀の死を悟った前田は音楽プレーヤーを抱え泣き崩れた。


しばらくすると、学生生活でやり残したことを語りだす3人。

女の子といっぱい話したかった、カラオケに行きたかった、放課後に買い食いをしたかった、

前田「好きなオンナ守ったりしたかった…」


前田くんのこの一言がものすごく苦しかったです。
そうだね、中島さんのこと守れなかったね、悔しいよね、と。

最初から守れるような地位でもなく、決して手の届かないマドンナのような存在だったけれど、それでもやっぱり守れなかったという悔しい気持ちを、拭い去ることは出来ないのだろうと思います。
そして、誘われたとはいえ結局は自らの判断で援助交際を始めたはずの中島のことを、責めたり恨んだり嫌いになることもまた難しいのでしょう。

好きなオンナの傍について守ってやれるような男に成長していくよう願うばかりです。


残り少なくなった学生生活の中で、今までやり残した青春を取り戻すことは難しいと判断した上江洌は2人にある提案をする。

それは、この3人で、この場所で、再び青春を取り戻すための方法。



…数年後、3人が着ていたものと同じ制服に身を包んだ生徒の前で、教壇に立つ峯田の姿がそこにはあった。

そして峯田の呼びかけで教室にやってきたのは、教育実習生の上江洲。

「あんたは教師だろ」と廊下を走っていたことを咎められ、その勢いのまま教室に飛び込んできた前田。

3人はともに教師としてこの学校に戻ってきたのだ。

浪人時代を経てやっと教育実習生としてやって来た上江洌の姿に、峯田も前田も生徒の目の前であるにも関わらずその喜びを抑えきれないでいた。

やっと3人がこの場所に再び揃った。


前田、峯田、上江洌の3人は、ここから共に青春を取り戻すのだ。




ED映像は、疾走感あふれる青春ソングと共に、フライヤー撮影のオフショット写真をスライド形式で編集したもの。

またメンバー紹介として各々の学生時代の写真も公開されて、その貴重なサービスに客席が歓喜のどよめきに包まれました。

しかし最も客席がざわついたのは、お松さんのターン。
写真と名前が同時に現れるはずの画面に映し出されたのは、「帽子屋・お松」の文字のみ。

一瞬おや?と首をかしげていると、フェードインしてきたのは“火事により学生時代の写真を焼失”といった旨を伝える簡素な文章。

不謹慎だとは感じながらも、巧く編集されたあの見せ方に思わず笑ってしまい、人の不幸と笑いは紙一重だなあと思いました。


エンディング曲はもちろんのこと、劇中に使われているBGMのほとんどが青春ソングで歌詞つきのものだったことから、セリフとのきっかけ合わせなど大変だったのではないかなあと思います。

その分感動も大きくて、どの場面でも曲が流れてくるたびに鳥肌が立ちました。

ツイッタ―などで他の方の感想を見ていると割とメジャーなものも多く、その懐かしさに心を打たれていた方もたくさんいたようです。
私は使われていた曲のほとんどを知らなかったのですが、それでも自然と笑顔になってしまう明るく素敵な曲ばかりでした。

セリフと被る場合はカットインで一度煽ってから音量を落とす、という術(すべ)が自分の中では新鮮で、近藤さんの選曲と演出効果のすばらしさに心打たれました。



カーテンコールの最後に披露されたダンスの完成度がこれまた高く、めちゃくちゃかわいらしかったです。

振り付けはさほど複雑というわけではないのですが、動作ひとつひとつに勢いがあって、また高速でフォーメーションを入れ替えるところは圧巻でした。
かなりの練習を積まないとあの移動は出来ないと思います。

みなさんとっても素敵な笑顔で踊っていらして、こちらも自然と笑顔になりました。ほっこり。



両公演を通して見て、アドリブ部分の違いや「もう一回見たい」「確認したい」「好き!」と思ったシーンをなぞるように見ることが出来たのは本当に楽しかったです。

映画やドラマじゃ味わえない、演劇ならでは美味しい部分。

また1回目と2回目で客数にあわせてイスの並びが変わっていて、プロの仕事だなあとさりげなく感動しました。

それとN谷同様、開演5分前?に聞こえる、電源を切るよう促すLINEの着信音が、皮肉交じりでおしゃれで大好きです。
皮肉や風刺は、ちょっぴり悪い顔をしながら間違いを正してくれるところに惹かれます。



ここまでレポと感想をだらだらやってきたにも関わらずお松さんについて全く触れてこられなかったので、唐突ではありますがちょろっと書いていこうと思います。

今回はたくさんの役を兼ねていたお松さん。優しげな美術教師から、頭のゆるいギャル、天パなコンビニ店長、学校のヤンキー、いじめられっこ、そしておそらく亀の亡霊らしき謎の全身タイツ。

キレがある演技派!とはまた違った、素朴感・素材感たっぷりのお松さんはある意味、ギャーギャーギャーの中ではちょっぴり異質です。
もちろんいい意味での異質感。

ごろっとした当たりのような…ああああ上手く表現出来ないのですが、とにかく不思議に惹きつけられるのです。

主軸に持って来るには少々難しいのですが、料理にクセを出すためのスパイスのような感覚で添えたい、そんな感じです。
上手く伝えられないのが本当に悔しい。


そもそもこのレポを自分で読み返してみると、前田・峯田・上江洌の関係性について上手く表現しきれていなくてとても悔しく、もどかしいです。

「仲がいい」だなんて一言で表すのは申し訳ないくらい、確実な絆で結ばれた3人なんです。

全員が冴えない童貞だけど、3人が揃えばそれぞれが最高にバカになって個性を発揮する、お互いがお互いを知らず知らずのうちに高め合っている、そういう関係性だと捉えています。

そしてその3人の絆がただただ羨ましくて仕方ないのも事実です。

ずっとあのまま(仲間以外とはどぎまぎする)なのは少し危ないけれど、3人のあの関係性はこれから先もずっと続いていってほしいと強く思います。



近藤さん初(?!)のハッピーエンドは、疾走感からやってくる興奮と同時に心が温まる、不思議でバカ面白い作品でした。

ギャーギャーギャーメンバーのポテンシャルや振り幅にも惹きつけられてますます虜になってしまい、すでに次の活動について様々な妄想を巡らせています。

良いものを作れば作るほど、次への期待が高まってハードルが険しいものになっていくのも事実ではありますが。

早く次回公演の情報が欲しいところ!
ただ、7月8月にアキナと守谷さんがそれぞれNGK単独を控えているので、それが過ぎるまでは新たな動きはないのかもしれないですね。

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画像は千秋楽後にロビーで公開された、前田・峯田・上江洌の作品たち。

コロコロクリーナーの疾走感をうまくカメラに収められなかったのが心残りです。